行ったことのない浦の向こう岸と、ブログを書くということ
リオデジャネイロに似たこの街には湾があり、対岸か半島のように見える岬も、じつはこの場所とひとつながりになっている。
だからいこうと思えば小学生でも行ける。
大人なら車で10分もかからないだろう。
だけどあちら側にはまだ行ったことがない。
子供のころに、あそこにはどんな人がいるのか、どんな家が、お店が、町並みがあるのか、いつか確認にいこうと考えていた。
そして30年以上がすぎていた。いつでも行ける。けど行く理由がない。理由といえば、半ズボンはいてたころに、ぼんやりと憧れを抱いたくらいのものだ。
仕事も忙しいし、子どもを連れていくならもっといい場所があるし。
このままあの森のような町に行かずに終わるのか?
そこに何か引っかかりがあるから、人は時として無意味な行動をとるのかもしれない。
本人だけがその意味や意義を知っているような類いのことを。
ブログを書くなんてのもその一つかもしれないと気付いた。
日々生きていてふと現れる、あの見知らぬ半島のようなことを放っておけない人がブログを書くのだろう。