リオの5月

そこはまるで、リオデジャネイロ

GANGSTA by Kehlani を和訳した(Suicide Squad)


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スーサイドスクワッドからもう1曲和訳してみました。ヒロインのハーレクインのテーマ曲です。ギャングの恋人を求める歌というだけあり、そこはかと無い破滅感の漂う曲ですね。

 
Kehlani - Gangsta (From Suicide Squad: The Album) [Official Video] - YouTube

GANGSTA by Kehlani from Suicide Squad

I need a gangsta
To love me better
Than all the others do
To always forgive me
Ride or die with me
That's just what gangsters do
わたしをもっと愛してくれる
ギャングスタがいないかしら
ほかの誰より愛してくれて
なんでも許してくれてさ、
私を乗っけて、しかも一緒に死んでくれる
ギャングスタって、そういうもんでしょ
[Verse 1]
I'm fucked up, I'm black and blue
I'm built for it, all the abuse
I got secrets, that nobody, nobody knows
もうたくさんだわ
そこらじゅうアザだらけだし
虐待されるために生まれたみたい
私にも秘密があるの
誰も、だれも知らない秘密が
I'm good on, that pussy shit
I don't want, what I can get
I want someone, with secrets
That nobody, nobody, nobody knows
私すごくイケてるでしょ
でも手に入りそうなものなんてもういらない
ほしいのはね、秘密を抱えた人
誰も、だれも知らない秘密を抱えてる人よ

I need a gangsta
To love me better
Than all the others do
To always forgive me
Ride or die with me
That's just what gangsters do
わたしをもっと愛してくれる
そんなギャングスタはどこにいるの
ほかの誰より愛してくれて
どんなことでも許してくれて、
私を乗っけて、しかも一緒に死んでくれる
ギャングスタって、そういうもんでしょ

My freakness is on the loose
And running, all over you
Please take me to places, that nobody, nobody knows
私のなかのヤバいところが、あふれちゃって
あなたの中にも駆け巡ってる
連れて行ってよ
誰も、誰もしらない場所に
You got me hooked up on the feeling
You got me hanging from the ceiling
Got me up so high I'm barely breathing
So don't let me, don't let me, don’t let me, don't let me go
私の心はあなたのとりこ
逆さにつるされた気分よ
すごくハイになっちゃって、息もできない
だからどうか、どうか、どうか一人にしないで

I need a gangsta
To love me better
Than all the others do
To always forgive me
Ride or die with me
That's just what gangsters do
わたしをもっと愛してくれる
そんなギャングスタはどこにいるの
ほかの誰より愛してくれて
なんでも許してくれてさ、
私を乗っけて、しかも一緒に死んでくれる
ギャングスタって、そういうもんでしょ

They do, they do, they do oh
To always forgive me
Ride or die with me
That's just what gangsters do
そう、ギャングスタって絶対そうよ
なんでも許してくれてさあ、
私を乗っけて、そんで一緒に死んでくれる
ギャングスタって、そんな連中なのよ

Moby の名曲「Lift me up」を意訳してみた

 
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Moby 'Lift Me Up' - Evan Bernard version - YouTube

"Lift Me Up"

Plain talking (plain talking)
Take us so far (take us so far)
Broken down cars (broken down cars)
Like strung-out old stars (like strung-out old stars)


だらだらと話をしていたら
もうこんな遠くまで来てしまった
車は壊れてしまったよ
古くて消えそうな星みたいに

Plain talking (plain talking)
Served us so well (served us so well)
Travelled through hell (travelled trough hell)
We know how it felt (we know how it felt)

ただ話しているのも
なかなかいいじゃないか
地獄を通り抜けたし、
それがどんなものか分かったからな

Lift me up, lift me up
Higher now ama
Lift me up, lift me up
Higher now ama

さらって、連れて行ってくれ
ああ神様、さらなる高みへと
引き上げてくれ、持ち上げてくれないか
ああ神様、さらなる高みへと

Plain talking (plain talking)
Making us bold (making us bold)
So strong out and cold (so strong out and cold)
Feeling so old (feeling so old)

率直に話したら
ふっきれた気がしたよ
あまりにつらくて、こごえるようで
ずいぶん年をとった気もするけど

Plain talking (plain talking)
Has ruined us now (has ruined us now)
You never know how (you never know how)
Sweeter than thou (sweeter than thou)

正直に話せば話すほど
僕らは堕落していくようだ
でも君はわからないだろう
なぜ甘い気持ちになってしまうのかを

Lift me up, lift me up
Higher now ama
Lift me up, lift me up
Higher now ama
[4x]
高みへ、さらなる高みへ
引き上げてくれないか
持ち上げて、僕を運び上げて
ああ神様、天よりも高く
Lift me up, lift me up
Ohla la la la
Lift me up, lift me up
Ohla la la la
上りつめて、高みを目指せば
ほら、もうこんな高さだ
引き上げて、さらに天へと、
ああ、もうこんな高くまで…

 

(意訳後期)

かなり抽象的な歌詞で、繰り返しも多いので相当に意訳しています。

野球苦手派に捧ぐ歌「僕は野球が好きじゃない」(※曲なし)

 
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広島が優勝したことで世間は大騒ぎになっている。こういうとき、野球を観る習慣があればさぞ楽しいんだろうと思う。

そう思っていたらなんだか、弾けもしないし歌えもしないのに、ギター弾き語りの歌詞「だけ」が降りてきたので書き留めた。

_________________________

「僕、野球が好きじゃないんだ」

歌詞 may_rio  作曲 (なし)

 

僕 野球が好きじゃないんだ

好きなテレビも延長でみれなかったよ
僕 野球が好きじゃないんだ

スクイズ、マジック点灯、クライマックス、意味がわからないよ

 

「野球ばかりみてるやつは

ほかに楽しみがないんだ」
誰にも言わないけどさ そう思ってきたよ

 

(※)だけどさ 教えてくれないか
僕だけ知らない野球のいいところ
みんな知っているんだろ

 

僕 野球が好きじゃないんだ
少年野球も入れなかった
コーチが怖そうで 引き返したんだ

僕野球が好きじゃないんだ
体育のソフトボールもできなかった
足も遅いし眼鏡には向かない

(※)だけどさ 教えてくれないか
僕だけ知らない野球のいいところ
みんな知っているんだろ

どうか教えてくれないか
一度でいいから 叫んでみたい
夜のテレビのまえでさ

 

一度でいいから 喜んでみたい
きみと肩なんて組んでさ
ビールかけも気になるよ
カクヤスで買っておくから

 

僕 野球が好きじゃないんだ
なにが起きてるかわからないから
僕 野球が好きじゃないんだ
きみが僕の知らないことで
とても楽しそうだから

 

 _________________________

※そういえば野球もできない上に、楽器も何一つできないのでした。でも歌詞くらい書いていいよね?

会社の飲み会で野球の話になると驚くほど孤立する。それが地方社会。

いつか贔屓のチームを作って、監督の采配や絶妙な選球眼とかに気の効いたコメントがしたい。

 

こんな消極的な歌詞なんか書きとめてないで早くスポーツ新聞でも読んで覚えろってことですね…

 

 

Twenty One Pilots - Heathensを和訳(曲調に合わせた意訳)


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スーサイドスクワッド、公開間近ですね。

このサントラ、ダークな世界観含めてかなりいい曲なので訳してみました。

ボーカルの声と、PVで着てる衣装から「語り手もサイコパス気味の危険人物」であることが想像されます。そのためあえて丁寧な語り口にしてみました↓

 
twenty one pilots: Heathens (from Suicide Squad: The Album) [OFFICIAL VIDEO] - YouTube

All my friends are heathens. Take it slow
僕の友達はみんなとんでもない奴らだからさ、気を付けてほしいんだ
Wait for them to ask you who you know
知り合いでもいるのか、って聞かれるまで待つんだよ
Please don't make any sudden moves
それまでは下手に動かない方がいい
You don't know the half of the abuse
どんなひどい目にあうか、知らないだろう
Welcome to the room of people
僕らの世界へようこそ
Who have rooms of people that they loved one day
Docked away
ここにいるのは、かつては愛に生きたけれど、それを捨て去った連中だ


Just because we check the guns at the door
Doesn't mean our brains will change from hand grenades
入口で銃のチェックを受けたけど、僕らの脳みそが手榴弾にならないワケじゃない
You'll never know the psychopath sitting next to you
君の隣にいるのはサイコ野郎かもしれない
You'll never know the murderer sitting next to you
殺人鬼がすぐそばにいるかもしれないね
You'll think, "How'd I get here, sitting next to you?"
「いったい自分は、なんでこんな奴と一緒にいるんだ?」って君は思うだろうね
But after all I've said Please don't forget
まあいろいろ言ってきたけどさ、忘れてくれよ

All my friends are heathens. Take it slow
Wait for them to ask you who you know
Please don't make any sudden moves
You don't know the half of the abuse

(※)

We don't deal with outsiders very well
僕らはよそ者とはうまくやれないんだ
They say newcomers have a certain smell
あいつらも、新入りはにおいでわかるってさ
You have trust issues, not to mention
君は当然、信用されないだろうね
They say they can smell your intentions
あいつらはもう、君のねらいを嗅ぎ取ってる
You'll never know the freakshow sitting next to you
見世物ショーが君の隣で始まっても、気づかないだろう
You'll have some weird people sitting next to you
そして君の横には、いかれた奴らが何人も座っているんだ
You'll think, "How did I get here, sitting next to you?"

「いったい自分は、なんでこんな奴と一緒にいるんだ?」って君は思うだろうね

But after all I've said Please don't forget(watch it, watch it)
まあいろいろ言ってきたけどさ、忘れてくれよ(くれぐれも気を付けな)


All my friends are heathens. Take it slow
Wait for them to ask you who you know
Please don't make any sudden moves
You don't know the half of the abuse

All my friends are heathens. Take it slow
(watch it)
Wait for them to ask you who you know
(watch it)
Please, all my friends are heathens. Take it slow
(watch it)
Wait for them to ask you who you know

 

 

 

Why'd you come, you knew you should have stayed(it's blasphemy)
よした方がいいって知ってたくせに、どうして君は来ちゃったんだ(神への冒涜だぜ)
I tried to warn you just to stay away
やめておけって注意したはずだよ
And now they're outside ready to bust
ああ、あいつらはもう外に出て、大暴れしようとしてる
It looks like you might be one of us
どうやら君も、もう僕らの仲間みたいだな

行ったことのない浦の向こう岸と、ブログを書くということ

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リオデジャネイロに似たこの街には湾があり、対岸か半島のように見える岬も、じつはこの場所とひとつながりになっている。
だからいこうと思えば小学生でも行ける。
大人なら車で10分もかからないだろう。

だけどあちら側にはまだ行ったことがない。
子供のころに、あそこにはどんな人がいるのか、どんな家が、お店が、町並みがあるのか、いつか確認にいこうと考えていた。

そして30年以上がすぎていた。いつでも行ける。けど行く理由がない。理由といえば、半ズボンはいてたころに、ぼんやりと憧れを抱いたくらいのものだ。
仕事も忙しいし、子どもを連れていくならもっといい場所があるし。

このままあの森のような町に行かずに終わるのか?

そこに何か引っかかりがあるから、人は時として無意味な行動をとるのかもしれない。
本人だけがその意味や意義を知っているような類いのことを。

ブログを書くなんてのもその一つかもしれないと気付いた。

日々生きていてふと現れる、あの見知らぬ半島のようなことを放っておけない人がブログを書くのだろう。

新人は「ストローを一本だけ持たされて太平洋に落とされた」ような気持ちになる(by元コンサルの回顧)~「職業としてのプロ経営者」より

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「若い頃にしんどかったのはコンサルタントになったばかりの頃です。太平洋の真んなかに落とされて、ストローだけ渡され「これでなんとか生き延びてみろ」と言われたような(笑)、そういう感覚でいました。なりふり構わず人に聞き、吸収していくことで、「スキルがストロー1本しかなくても努力次第で生き抜ける」という自信を持つことができたと思っています」

 

 

職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-

職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-

 

 

もうすぐ4月で、新入社員になる人は期待と不安の入り混じった時期を過ごしているのではないでしょうか。

何をしてよいかわからずに会計の本を買ってみたり、運動の習慣をつけようと突然ジムに入会してみたり、「なんか同期に凄い優秀な新人がいるらしい」という噂話に焦ったりする時期だと思います。

自分ももう10年近く前になりますが、おとなしくあきらめて花見でもしていればいいものを、「入社前の努力が肝心だ!」などと意識を高めた結果、空回りして消耗する最後の春休みでした。

 

仕事をはじめることの不安感。それはひとえに、「自分が何をしたらいいのかかわからない」ことに起因しています。働く前なんだから、当たり前ですよね。

これは組織にはいるとか、フリーランスで始めるとかは関係ない話ですね。「初めて仕事をする」ことの不安感自体は、組織に属する・属さないは大きく関係ないと思います。

では、仕事がはじまってしまえば、その不安感は消えるのかというと、おおかたの予想通り消えません。むしろ強くなります。

それは、「仕事が来たはいいけど、どうやって進めていいかわからない」というものです。

たとえば会社の新人だと、次の会議のアジェンダ設定みたいなものから、なにかの市場調査しておいて、といった指示までいろいろあると思います。

ただその中には、「えっ、全然どうしていいか全然わからないんですが」と焦って、手が震えるような指示がかならず来ます。先輩や上司に聞いても、それなりにやさしく対応してくれるものの、いま向かい合っている状況にピタリの答えなんてくれる確率は低いです。(仕事を振った当の上司も、実際のところ答えなんてわかっていなかったりします)

その仕事に向き合っている間は、食欲も無くなり、眠りも浅くなり・・・と完全に緊張状態です。やたら缶コーヒーやエナジードリンクを飲み始めるころですね

 

そんな時どうするか?ということは、仕事にもよるでしょうし、仕事ノウハウ本にすでにいろいろ書かれていることなので割愛します。

(仕事の依頼を受けるときのお作法とか、行き詰った時に仮説をもって質問するとか、よくまとめ記事とかになっている類の話しなので)

 

ただここで強調したいのが、組織人として、あるいは社会人として功なり遂げた人の多くが同じような不安感の中で戦ってきたという事実です。

冒頭に引用した、元コンサルタントの方の表現は、本当にそのあたりの不安感を的確に表現していると思います。

 

別にこの事実を知っていたからと言って、4月からの仕事がうまくいくと言うつもりはありません。

ただ、ちょっと安心しませんか?

エリート街道を驀進していた人が、何の痛みも感じることなくすいすいと「プロ」になっているわけじゃないんです。

本当にみじめな思いと、塗炭の努力をしながら精進の日々を送っていたのだと思うと、「こ、これは真似できない・・・とんでもな状況やナ」という思いと「こんな凄そうな社長達でも、こんなところからスタートしていたんか・・・」という、少し身近な気持ちになれます。

もう一か所引用しますね。ある経営統合プロジェクトのために、3社数か国から50人の選抜チームに選ばれた方の体験談です。

もちろんその時点でそれなりに優秀かつ実績のある方なのでしょう。

それなのに、その方の感じた最初の挫折感たるや相当なものです。

私は50人のメンバーのなかで50番目の存在。あらゆる面で能力の差が歴然としていたからです。それまでは周囲とのギャップを味わうたびに、なにくそと奮闘してギャップを埋め、それによって成長を引き寄せてきた私でしたが、この時ばかりはそうはいきませんでした。あまりにも大きなギャップがあったのです。悔しさや無力感をここまで徹底的に味わわされたことは後にも先にもありません。「49番目や48番目にさえなれなかった」のです

(「職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-」)

仕事は必ずしも、自分と他人を比較すればいいというものでもないし、順位付けなんて意味はない。

そんな一般論は重々知りつつ、「50人中、自分が50番だと歴然とわかっている」のはやはりこたえるものです。

とはいえこの方も、冒頭の方のように荒海のなかでストローで息をするような日々を過ごしながら自分なりの価値を出していくというプロセスを踏まれています。

仕事をすれば、それは組織の中であれ、フリーランスとして組織の外であれ、かならず自分の枠自体を問われる瞬間が来ます。

そんななかでは、おそらく明日の仕事もつらいだろう、来週の仕事も重くのしかかってくる、来月になったってなにも改善していないかもしれない・・・という暗澹たる気持ちになります。

そしてその状況は、残念ながらというか当然ながらというか、自信で解決して、自信にその非定型な知見を蓄積していくほかないのだと思います。

そして乗り越えられた後は、いつか来る同じ悩みを持つ後輩を救う助言やヒントとして取っておけばいいと思います。

 

本書「職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-」は、そんな不安の壁、不安の太平洋で必死に立ち泳ぎしてきた人たちのエピソードがいっぱい詰まっています。

「プロ経営者」とか「元コンサル」と言った言葉に、平板な印象を持っている人にとっては、大きな意識転換になる一冊だと思います。

そして、壁に向き合っている人には、諸先輩の苦労話を聞いてほんの少し安心する作用があるかと思います。

最後に、この書のエッセンスを集めたような一言を引用して締めたいと思います。

 

試練については、話し出したらキリがなくなるくらい体験してきました(笑)。社会人になってからだけでなく、学校受験でも失敗や試練をたくさん味わいました。振り返ってみると、人生の節目ですんなりといったためしがありません。でもこれが私の強さにつながっていると感じています。

(マークテック株式会社 栗原一博氏)

上記のセリフ、傑作麻雀漫画「天」のアカギのセリフを思い出しますね。

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天?天和通りの快男児 18

天?天和通りの快男児 18

 

 

 

以上です。

良い春休みを・・・(私は仕事ですが)

 

 

職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-

職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-

 

 

 

 

オザケン「今夜はブギーバック」の正統的継承者はHALCALIかもしれない

そもそもオザケンの魅力って、たとえばラブソングを、ストレートに「歌い上げる」のではなく、陽気でもあり、シリアスとも取れる不思議な声でさらっと歌い、そこに期せずして情感がこもってしまう…というものだと理解していた。
都会者の余裕というか。
そこにきっとあるはずの熱い感情や思い入れをそのままにはぶつけてこない。
そしてこのHALCALが歌う「今夜はブギーバック」、物凄く素敵なアレンジだと思うのだけど、それはこの「心を込めすぎない」余裕が生んでいるのだと思う。

HALCALIはこの名曲を歌い上げない。まるで他人事のようにこの歌を楽しんでいるようにも見える。
だけどバックでは、東京No1SoulSetが情感を裏打ちしている。
結果、この歌の主語がいったい誰によるものなのかが、だれによる情感なのかが分からなくなる。
 
そういう無名性がいかにも東京的で、地方の高校生だった頃にオリジナル版の入ったMDを擦り切れるほど繰り返しながら、「こういうのが東京ナンやナ」と路線から田んぼやら海を見ながら感じていたことを思い出すのだ。
 
聞けば聞くほど、この歌は誰が誰に向かって歌っているのかわからないし、そこが「かつてこの曲を聴いていた者」の情感を乗せやすい要因になっているんじゃないのか、とまた聞き返しながら思った。